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最新のリーガルテックで、企業法務の効率化と最適化を実現【イベントレポート中編】​

企業の法務やリスクマネジメントにおいて、コンプライアンスは極めて重要です。また、コンプライアンスを徹底することは、企業の成長にもつながります。本記事では、レクシスネクシス・ジャパン株式会社が2023年5月開催した“LexisNexis® ASONEコンプライアンス・サーベイ発売記念イベント コンプライアンスは企業をどう成長させるか?”の内容をご紹介し、コンプライアンスやリーガルテックを自社の成長戦略に活かすためのヒントを全3回にわたってご紹介します。

ChatGPTなどのAIやリーガルテックの活用、法務力が強い企業の担当者と法律専門家による「企業価値向上に直結する法務力強化の秘訣」に関するパネルディスカッション、リーガルテックのメリットなど、ぜひ自社のコンプライアンス対策にお役立てください。

今回の中編では、企業法務の現場の生の声を活かし、機能追加とともに新しくなった『LexisNexis® ASONEコンプライアンス・サーベイ』による課題解決の手法や活用法をお伝えします。

登壇者プロフィール

レクシスネクシス・ジャパン株式会社
コンテンツソリューションズ部
ヘッドオブコンテンツソリューションズ
漆崎貴之

企業法務向け書籍・月刊誌の編集やコンプライアンス・ソリューションの企画・開発業務を経て、現職。レクシスネクシスでの16年の在籍期間中、2,000社以上を訪問して得た知見を基に、競争法・環境法等各種規制対応や、子会社管理など、コンプライアンス全般の支援を行う。

レクシスネクシス・ジャパン株式会社
製品開発部シニア製品開発マネージャー
神戸博之

複数の大手外資系IT企業にて、組み込み系からエンタープライズまでさまざまなシステム・製品の開発に従事。2011年から当社に勤務し、『LexisNexis® ASONE』の製品開発担当として、各海外拠点のグローバル開発チームとともに製品開発を行う。

日本企業のコンプライアンス活動の現状

私たちレクシスネクシス・ジャパンは、法令データベースを主軸としたコンプライアンスリーガルソリューションとして、10年以上にわたって日本の企業の皆様にパッケージソリューションを提供してまいりました。企業法務に関わる皆様のご意見も取り入れながら、現在も製品・サービスを拡張・改善中です。また、さまざまなコンプライアンスの課題にきめ細かく対応するために、コンサルティングによるサポートも行っています。

なかでも、法務・コンプライアンス体制強化のためのワンストップソリューション『LexisNexis® ASONE』では、以下のような多様なサービス・ツールを提供しています。

  • 国内外の最新の法規制情報をモニタリングする『法政策情報』
  • 自社の法令順守状況を可視化する『ワークフロー』
  • 社内規程をメンテンナンスする『業務規程コネクト』
  • 法務・コンプライアンス教育を行う『エデュケーション』
  • 個別のリスクに対応する『コンサルティング』

さて、昨今当社の100社以上の企業様へのコンサルティング活動を通じて、以下のようなことが明らかになりました。

コンプライアンスに関する意識・関心が高い一方で、自社のコンプライアンス状況に自信がある企業は約2割となっています。その理由の一つとして、自社のコンプライアンスの現状を正確に把握できていないという課題が挙げられます。

自社のコンプライアンスの実態・現状の把握を正確に行うことが、コンプライアンス活動には欠かせません。そして、コンプライアンス月間やコンプライアンストレーニングを実施している企業が多い一方で、従業員側から見ると“やらされ感”があったり、形式的なものになったりしているというのが現状だといえます。

その原因として、「自社の課題を特定できないまま、必要に応じて、単発的な研修などを行う」といったコンプライアンス活動により、従業員への浸透を進められていないことが考えられます。

課題解決のための自社の現状把握を、簡単かつ低コストで実現

今回、『LexisNexis® ASONE』のラインナップに新しく加わった『LexisNexis® ASONEコンプライアンス・サーベイ(以下、ASONEコンプライアンス・サーベイ)』には、「コンプライアンス活動のスタート地点となる“現状把握”を、より包括的に、より容易に行っていただけるようにしたい」という想いが込められています。

私たちのコンサルティングサービスを通じて、コンプライアンスの効果的な運用を考えるうえで「サーベイを使った現状把握、それを踏まえた分析、報告、対策という流れで、コンプライアンスのPDCAサイクルを回していくことが非常に効果的だ」いうことがわかっています。

具体的には、意識調査・サーベイから始まって、傾向分析や比較分析、リスクの特定を行い、その内容をもとにレポーティングします。レポートは、社内向けだけではなく、投資家向けにコンプライアンスレポートを作成して情報発信することが可能です。

また、採用活動の際に、「コンプライアンスがきちんと守られている会社なら、安心してエントリーしよう」と感じてもらうために活用もできます。このように、対外的な情報発信においても、コンプライアンスの運用は非常に重要だといえます。

さらに、教育対策は、もっとも力を入れていかなければいけない部分です。しかし、これらのベストプラクティスを実践するには、時間と社内リソースとコストが必要になります(たとえば、現状把握・分析・報告に数ヵ月かかってしまう場合もあります)。特に日本企業には専任のコンプライアンス担当者が少ないため、限られた社内リソースで全作業を行うことは非常に大変だという声がよく聞かれます。

当社は2017年から企業へのコンサルティング活動を行っています。そのなかで、「現状把握をより簡単に行うには?」と追求し続けた結果、こちらの図のグレー部分にある課題解決方法が有効だという考えに至りました(下図参照)。

『ASONEコンプライアンス・サーベイ』は、上記のすべての方法を網羅し、標準的で信頼性のある設問を事前に設定。システム化されたサーベイは、オンラインで簡単に従業員が回答できて、回答の回収や集計のグラフ化も自動で行うことができます。そして、階別層や世代別など、切り口を簡単に変えられるため、経営陣への結果報告も効率的に実施できます。

このように、コンサルティングビジネスを通じて蓄積されたノウハウなどを踏まえ、ベストプラクティスの標準化・自動化によって、より多くの企業様にクオリティの高いコンプライアンスソリューションをご利用いただくことが可能となっています。

また、自動化・標準化により、人力による標準的なサーベイに比べて、『ASONEコンプライアンス・サーベイ』では時間も費用も大幅に削減できます。

特に、「サーベイの準備・運用」に要していた時間を大幅に減らすことができます。そして、その部分にかかっていた時間や費用を、もっとも注力すべき教育に充てることが可能です。

サーベイ実施からデータ集計、リスク分析、施策選択まで一括運用

『ASONEコンプライアンス・サーベイ』の特徴として、以下の3点が挙げられます。
①自動化されたサーベイの実行とデータ集計
②企業コンプライアンスの状況把握に最適化された設問設定
③コンプライアンス・リスクを可視化するダッシュボード
それぞれの特徴についてご説明します。

①自動化されたサーベイの実行とデータ集計

サーベイの対象設定、配布から回収、集計分析まで、このツールだけですべて自動的に行えます。コンプライアンスでは継続的に施策/分析を行わないと、効果も見えにくくなってしまいます。『ASONEコンプライアンス・サーベイ』は1度きりではなく、継続的・定期的にコンプライアンスの状況を確認し、その変化を見ながらリスクの増減や新しいリスクの発生まで把握可能です。

そして、回答結果を含めて匿名化することで、回答者が正直に答えられるように工夫しています。

さらに、あまり多くの設問回答を現場の皆さんに強いると大きな負担になってしまうため、適切な量と質を考慮しています。

②企業コンプライアンスの状況把握に最適化された設問設定

設問は『コンプライアンスへの感度』と『モデル行動規範に基づくルールの理解』の2軸で構成され、適切な量の設問として“選択式の全36問”を設定しています。両軸を組み合わせることで、リスクがバランスよく見える設問構成になっています。

『コンプライアンスへの感度』は、一般的な人事施策の“従業員満足度調査”に似た内容です。図のラベル2の各項目について、一人一人の意識のあり方なども設問に含めています(上図参照)。

各設問の回答は「そう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」の5段階で選択していただきます。記入式ではなく、回答者の方の正直な感想として選んでいただきます。

『モデル行動規範』とは、私たちの企業支援(コンサルティングサービス)の一環として多くの大手企業の行動規範の見直しを行うなかで、共通する行動規範をまとめたものです。

具体的な設問としては、以下のようなものが盛り込まれています。

Q.「私は、日々の業務を通じて自分が組織の役に立っており、当社が社会から求められていると感じています」

Q.「私は、上司からしばしば法令や社内ルールの枠を超えた命令や指示を受けることがあります」

③コンプライアンス・リスクを可視化するダッシュボード

サーベイの結果は即座に集計されて、独自のアルゴリズムで各回答の結果を数値化します。そして、ダッシュボードという画面でご覧いただけます。たとえば、「どの部門に、どのようなリスクがあるのか」「どの階層に、どのようなリスクがあるのか」というところから、「その原因は何か」「その問題を解決するために、どんな研修などの対策、施策が最適か」ということを、ダッシュボード上で確認していただくことができます。

このように、サーベイ実行、結果分析、施策の選定・評価など、すべてを『ASONEコンプライアンス・サーベイ』上で完結可能です。さらに、結果を経営陣に報告するためのレポート作成もサポートいたします。

『ASONEコンプライアンス・サーベイ』は、自社のコンプライアンスの実態把握を容易にすることで、さまざまな可能性も広げるサービスです。

DXによる運用コストの削減はもちろん、分析という新しい手法をコンプライアンスのなかに組み込むことによって、より精度の高いコンプライアンス施策につなげることができます。また、コンプライアンスの情報を数値化するため、他社のデータとの比較や、継続的なコンプライアンス活動に役立つ自社の過去データとの比較も可能になります。

当イベントの前半で当社代表取締役社長パスカル ロズィエが申しました「コンプライアンスのPDCA(Plan-Do-Check-Act)」のなかでも特に重要な「C」である“コンプライアンスの効果測定の自動化”を、『ASONEコンプライアンス・サーベイ』は実現しています。

皆様に意識調査・実態把握から取り組んでいただいて、より実りあるコンプライアンス活動の促進と企業価値の向上にお役立ていただければ幸いです。

<後編に続く>

前編を読む>

関連情報

レクシスネクシスでは、法務コンプライアンスの様々な課題を解決する為のソリューション、『LexisNexis® ASONE』を提供しております。ASONEは機能別に複数のモジュールで構成されています。

LexisNexis ASONEコンプライアンス・サーベイ』は、当社コンサルティング事業において様々な企業で実施してきたコンプライアンス・サーベイ(コンサルティング/カスタマイズ版)を標準化し、ASONEに搭載した製品パッケージモデルです。2022年に一部機能を開放した先行リリース版を発表。2023年5月には「業界/他社水準などの比較機能」や「教育プログラム(オプション)」など、分析機能を大幅にアップグレードした正式版の提供を開始しています。

ASONEコンプライアンス・サーベイは自社のリスク特定や分析、サーベイ施策の工数削減など、多くのシーンで効果を発揮します。

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LexisNexis® ASONE コンプライアンス・サーベイ(コンプライアンス分析ツール)

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