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目に見えない“自社のコンプライアンス状況”の把握・客観視を実現~LexisNexis®︎ ASONEコンプライアンス・サーベイ

社会のデジタル化やグローバル化が急激に進むなか、企業にとって不可欠な“コンプライアンス”は複雑化・多様化・高度化しています。コンプライアンスへの対応が急務となる一方で、社内体制の構築や運用、コンプライアンス教育などに苦慮している企業も少なくないのが現実です。そのような課題を解決するために、レクシスネクシス・ジャパンはコンプライアンス遵守のワンストッププラットフォーム『LexisNexis® ASONE』の新ツール『コンプライアンス・サーベイ』を開発しました。今回は、「自社のコンプライアンス体制の客観的診断」に役立つ同ツールの特徴や機能などを説明したWebセミナーの内容をご紹介します。

(講師/レクシスネクシス・ジャパン株式会社 製品開発部 シニア製品開発マネージャー 神戸博之)

企業法務の方々の“生の声”から生まれた新ツール

当社では、2011年から『LexisNexis® ASONE』を通じて、企業における法令遵守・コンプライアンス体制の強化のための施策のサポートを行ってきました。

最新の法規制をキャッチアップするための『ASONE法政策情報』、業務における法令遵守状況を確認するための『ASONEワークフロー』、業務規程を適切に更新運用するための『業務規程コネクト』などを提供するなかで、企業法務の方々とのコミュニケーションを通じて“コンプライアンスに関する共通の課題”を認識するに至りました。

それは、「自社のコンプライアンス体制は、本当に機能しているのか」「実施しているコンプライアンス施策は、効果が出ているのか」ということです。これらを確認するのは容易ではありません。なぜなら、コンプライアンスというのは、従業員それぞれの意識のなかにあり、目に見えない非常に“概念的”なものでもあるからです。

そういった課題を解決するために開発したのが、2022年4 月11日にリリースされた『LexisNexis® ASONEコンプライアンス・サーベイ(以下、ASONEコンプライアンス・サーベイ)』です。

コンプライアンス・スコアで自社を客観視

『ASONEコンプライアンス・サーベイ』の大きな特長は、「コンプライアンス状況の数値化」「手間のかからないサーベイの運用管理」「テーマ別の研修コンテンツとの組み合わせによる、より効率的なコンプライアンス施策の実施」の3点です。

「コンプライアンス状況の数値化」の最大のメリットは、客観的な確認がむずかしいコンプライアンスの理解度や順守状況、施策の効果などを可視化して、データ分析に活用できることです。

コンプライアンス意識を問うサーベイを全社・全グループの従業員向けに実施でき、回答結果が特定のルールに基づいて“コンプライアンス・スコア”として数値化されます。さらに、「コンプライアンス項目が遵守できている・できていない」といったランキングも簡単に表示可能です。

それらの数値をもとに、自社のコンプライアンス状況の進捗やコンプライアンス活動の効果などを把握することができます。

また、サーベイを定期的・継続的に実施することで、「前年度と比較してリスクは増加しているか・軽減しているか」といった経年変化の比較など、さまざまな観点でコンプライアンス状況を可視化。分析・診断することで、無駄のない効果的なコンプライアンス体制や継続的な改善の実現をサポートします。

加えて、部門・組織ごとにリスクを洗い出すことで、「リスクの高い部門には手厚いトレーニングを」といったコンプライアンス施策に濃淡をつけることも可能となります。

3つのカテゴリーで、標準コンプライアンス・サーベイを実施

『ASONEコンプライアンス・サーベイ』は、独自に作成した“標準コンプライアンス・サーベイ”を用いています。このサーベイでは、「法令違反リスク(法令の順守)」「社内規範違反リスク(業務規程など社内規範の遵守)」「社会の期待・要請違反リスク(社会規範などの遵守」という3つのカテゴリーの設問を準備しています。

各カテゴリーのリスクポイント(点数)から、「どの分野に、どの程度のリスク・課題があるか」を客観的に把握することが可能です。

また、このサーベイは基本的にすべての利用者に同じ設問で実施するため、たとえば、同業他社や同業界の全国平均値や標準値などと比較して、自社のコンプライアンス状況を測定することもできます。定量化された指標によってコンプライアンス・リスクを可視化できるのが大きな利点です。

サーベイの運用管理を自動化

サーベイや意識調査を実施されている方はご実感されていると思いますが、サーベイを利用したコンプライアンス状況の把握には非常に手間がかかります。設問の設定や配信準備、回答集計という一連の作業を行う必要があるからです。

また、回答結果をエクセルなどで集計したうえで分析する作業にも、時間や人手が必要です。 そこで、そのような手間をなくすために、『ASONEコンプライアンス・サーベイ』ではサーベイの準備~運用~集計~分析のすべてを同一システム上で実施可能にしました。

サーベイの運用管理機能はシステム化されていますので、「サーベイの実施対象者の情報を登録する」だけで、自動的にサーベイを実行・データ集計することができます。

さらに、蓄積された回答結果は設問ごとに設定されているルールにより数値化され、分析に最適なグラフなどに変換。ダッシュボード上に、コンプライアンスのカテゴリーごとのリスクの評価や部門・組織ごとのリスクが表示されます。

コンプライアンス意識の醸成と浸透にも効果的

社内でのコンプライアンス意識の醸成と浸透には、多くの時間がかかります。そして、定期的なコンプライアンス状況の把握と修正は非常に重要ですが、手間やコストがかかるため、なかなか実施ができないこともあるかと思います。

『ASONEコンプライアンス・サーベイ』は定期的なサーベイの運用も自動化できるため、たとえば、年2回、あるいは四半期ごとといった継続的なコンプライアンス活動に活かすことが可能です。

さらに、コンプライアンスの総合評価ともいえる標準コンプライアンス・サーベイに加え、「不正競争防止」「競争法関連」「個人情報保護」など、さまざまなコンプライアンスのテーマに関するサーベイも実施可能。当社が提供する各テーマの研修と組み合わせることによって、理解度の把握とリスク評価を同時に行うこともできます。

たとえば、「贈収賄防止の研修を実施しつつ、その理解度を確認するためにテーマ別サーベイを行う」など、効率的で機動的なコンプライアンス施策も実施していただけます。

設問設定の簡易化や多言語化も

サーベイの設定や配信は、サーベイ管理機能を利用して簡単に行うことが可能です。たとえば、サーベイの内容や、サーベイ実施告知メールのフォーマットの設定、サーベイの開始日・締切日の設定、そしてリマインダーの頻度の設定などを行えます。

標準コンプライアンス・サーベイの設問は、先述の3カテゴリーの主要リスク要因に紐付けられています。たとえば、内部通報制度について問う設問でネガティブな回答が多い場合、「業務内容に何らかの問題がある」ことを示唆しています。この課題を放置すると、法令違反や不正リスクにつながりやすいといえます。

各設問自体は、自由記入項目のない回答しやすい選択式なので、サーベイの回答者の負担も最低限に抑えられます。

さらに、設問を多言語化することも可能です。海外子会社の管理者や従業員などに対して、たとえば英語や中国語、あるいは現地語に翻訳したサーベイを展開することもできます。

専門的な経験や知識は不要

一般的に、データ分析を行う場合には、複数のデータを掛け合わせるなど、ある程度の分析に関する知識と経験が必要です。また、各データを分析するために適切なフォーマットに整えるなど、事前準備も必要になります。

『ASONEコンプライアンス・サーベイ』は、サーベイの結果をシステム上で自動集計して、特定のルール(アルゴリズム)によって数値化します。さらに、データの最適なフォーマットへの変換も自動化することによって、分析に関する特別な経験や知識がなくても、データ分析手法を用いたコンプライアンス状況の把握可能です。

分析結果が一目でわかる視覚的表示

ここからは、実際の『ASONEコンプライアンス・サーベイ』の画面を見ながら機能をご紹介します。

分析する対象に応じて複数のダッシュボード画面を用意し、ダッシュボードにアクセスするだけで、サーベイ結果から導かれる分析結果を確認できます(BIツール『Tableau(タブロー)』を使用)。

メインのダッシュボードでは、「客観的指標スコア」と「主観的指標スコア」の2つの指標を見ることができます。

客観的指標スコアは、当社が提供する法規制データベースサービスの『ASONE法政策情報』と、法規制の理解度を図る『ASONEワークフロー』の利用状況に基づいた分析結果です。

主観的指標スコアの「主観」とは「回答者の“主観的要素”を含む」という意味で、サーベイの結果に基づく客観的な数値でコンプライアンス状況を示す工夫を行っています。このパートでは、各コンプライアンスのカテゴリー別のコンプライアンス・スコアが表示され、「数値が高い=コンプライアンス・リスクが高い」といったことが一目で判断できます。

また、過去から現在までのコンプライアンス・スコアの推移が表示され、「自社のコンプライアンスの状態が改善しているのか・悪化しているのか」ということも把握が可能です。

他社や自社内など、さまざまな比較も容易に

先ほどもご説明しましたように、標準コンプライアンス・サーベイは全企業共通の設問を原則としているため、自社と他社との相対的な比較も可能になっています。

『スコア詳細と全国比』の部分では、自社のコンプライアンス・スコアと他社平均との比較が表示されます。各コンプライアンスのカテゴリーに対して、上昇傾向・減少傾向のトレンドや総合評価値を示しています。

さらに、『通年スコア比較』では、自社と全国平均値との比較や主観的・客観的な要素との比較などを確認することもできます。

自社の状況把握にとどまらず、他社比較や業界標準と比較することで自社のコンプライアンス体制を客観視することが可能です。

これらの他社との比較情報は、ROI(投資収益率・投資利益率)を評価する際などにも役立ちます。

組織別・リスク別の状況や課題も俯瞰

サーベイ結果にフォーカスしたサーベイレポート画面のダッシュボード上では、メインレポート画面と同様に、各コンプライアンスのカテゴリー別のコンプライアンス・スコアの推移を表示しています。

『グループ別スコア分布』はリスクレベルに応じてA~Dの4段階に分けられ、問題のある組織・グループを確認できます。

また、このパートを『リスク別コンプライアンス分布』に切り替えると、コンプライアンスのカテゴリーごとにリスク状況を俯瞰的に把握することが可能です。

『グループごとのスコア』では、組織とコンプライアンスカテゴリーを掛け合わせたヒートマップ(色分けによる可視化グラフ)により、各組織のリスクの詳細を把握できます。設問ごとの得点ランクで“課題のある設問”に紐付けられたリスク要因を確認でき、リスク排除のための施策を考えるために役立ちます。

継続的な自己評価が、コンプライアンス体制確立のカギ

繰り返しになりますが、コンプライアンス意識の浸透と醸成には時間がかかるため、継続的に自社の状態を評価することが重要です。『ASONEコンプライアンス・サーベイ』で定期的なサーベイを実施することで、コンプライアンス状態の傾向をモニタリングできます。

社内平均スコアや全国平均スコアを時系列で表示し、特定の月の状況なども簡単に確認できますから、「既存のコンプライアンス体制と同じ運用のままで問題はないか」など、改善できる項目を経年比較で発見することも可能です。

このような評価を継続的に行うことが、組織・部門のリスク状況に応じた費用対効果に優れるコンプライアンス施策の推進につながります。

「コンプライアンス疲れ」を起こさないために

「コンプライアンス疲れ」という言葉があるように、過剰なコンプライアンス対策は、コストと時間を無駄にするだけではなく、現場にも負担を与えてしまって逆効果になる可能性があります。

自社のコンプライアンス推進を成功させるためには、適切な“質”と“量”が非常に重要です。もし業界標準と極端に乖離していなければ、コンプライアンス状況として「適切なレベル」だといえるでしょう。そのような見極めを行うためにも、『ASONEコンプライアンス・サーベイ』による客観的視点は有効です。

当社では今後も、『LexisNexis® ASONE』をはじめ、独自の法規制情報データベースなども活用し、より多角的で精度の高い分析を実施・提供していきます。さらに、法改正の予測やリスク予防のための研修のサポートなども通じて、企業の皆様のコンプライアンスに寄与していきたいと考えています。

関連情報

レクシスネクシス独自の標準コンプライアンス・サーベイを通じて、貴社のコンプライアンス・レベルを診断します。定量化された指標(スコア)によるリスクの可視化で、貴社のコンプライアンス状況を把握し、効果的なコンプライアンス施策に繋げることが可能です。無料トライアルも行っています。詳しくはこちら

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